どうも、元山狐です。
先日の記事(「新約聖書」シリーズ)でイエスが修行中に悪魔が現れて、彼を誘惑しようとした。
といったことを書きました。
サタンは「旧約聖書」「新約聖書」ともに登場する悪魔で、悪魔族の長としてあまりにも有名なのですが、僕自身あまりよく知らないな。と思って調べたところ、
「調べると調べるほどよくわかんないヤツ」という考えに至りましたw
旧約、新約聖書に登場するサタン
サタンは旧約聖書のかなり初期に登場します。
アダムとイブをそそのかす(旧約聖書)
以前書いていた「旧約聖書」の記事で「アダムとイブ」のことを書きました。
その中で、イブに「グリコだけじゃなくて森永もおいしいよね。」ってことを提案した(ここだけ読むと、わけがわからないと思うんですが、良かったら記事をみてください)ヘビがいました。
実はそのヘビがサタンだったのです!
そうか、サタンはヘビだったのか!!
イスラエル王国のダビデ王に罪を犯させる(旧約聖書)
旧約聖書の後半で、イスラエル王国が建国されました。
この記事では特に取り上げてませんが、ここでもサタンが登場し、ダビデを欺いて、人口調査を行わせました。
ダビデ当人は、サタンとは分からず、神からの命と思ったのですが、腹心達の反対の意見にも耳を貸さず、強引に人口調査を行います。
つまりサタンは詐欺師だったのか!!
これが神の怒りを買う結果になりました。
騙されたというよりは、サタンの誘惑に負けたと言った方がいいのかもしれません。
他聖書でのサタンのお仕事
- 敬虔の念が深いヨブさんから家族や財産を奪ったり、本人も病気にさせるいじめっ子
- イエスさんの修行の邪魔をするいたずらっ子
まだ新約聖書も先が長そうですが、まだ登場しそうですね。
いろんな作品に出張する働き者
もちろん悪魔業界でもきっての有名人のサタンさんですから、聖書意外のたくさんの作品に出ています。
参考書籍によると、12世紀に作られた傑作「タンデールの幻」という作品がありまして、騎士タンデールは罪人として処刑されて死にかけますが、天使が現れて彼の魂を地獄と天国の旅に導いたとあります。
その地獄の底で亡者を苦しめている魔王(?)として登場します。
この流れ、なんかどっかで聞いた話だな・・・と思ったら、以前行った「ベルギー奇想の系譜」展の題材に上がっていた、「トゥヌクダルスの幻視」と時期が同じで、共にアイルランドの僧によって書かれたみたいなので、同一の作品なのかな?
ちなみに、この「トゥヌクダルスの幻視」は後にダンテに影響を与えて「神曲」という作品が生まれました。
物語だけじゃありません。
オッサンホイホイな話題ですが、「ビックリマン」シリーズのサタンマリアとか、ゲームでなら数え切れないほど出ていると思うんですよ。
僕が好きな女神転生シリーズでも、ラスボスとして登場したりしますしね。
ってことで、サタンさんはとても働き者なんです。
サタン=ルシファーではない?
よくサタン=ルシファーと同一視される話を聞きますし、僕もそう思っていました。
しかし、もとを辿るとサタンは元々神の宮廷の一員で天使だったとあります。
で、ルシファーなんですか、旧約聖書のイザヤが言った台詞に出てくるのみです。
「ああ 、お前は天から落ちた 明けの明星 、曙の子よ 。 お前は地に投げ落とされた もろもろの国を倒した者よ 。 」
「曙の子」は「ヘレルベンシャハル 」 といいまして、ラテン語だと「ルシフェル 」 と読みます。
この言葉は野望の為に破綻したバビロニアの王を暗喩する台詞ですので、ルシファー=バビロニアの邪悪な王ってことになります。
ちなみにイザヤはイスラエル王国が、イスラエル王国と、ユダ王国に分裂した頃にいた預言者で、この記事で少しだけ登場しています。
しかし、後に天使の堕天を意味するものとして解釈する人が現れて、ルシファーは堕天して悪魔になったと考えられるようになったみたいです。
参考書によると、2世紀前半の教父オリゲンスが初めてルシファー=サタンといいはじめ、5世紀には聖人アウグスティヌスもそれに同調したとあります。
こうして何人の教父たちの考察からルシファーの伝説が出来上がり、ルシファーは最初は天使でも最高位の熾天使だとか、ミカエルの双子だとかいろんな説があります。
なので、それ以前は同一視されていなかったんじゃないのかな?
ちなみにルシファー以外にもサタンと同一視される悪魔は他にもいまして、サマエル、サタナエル、ベルゼブブなどが挙げられます。
ちなみにベルゼブブは、以前紹介したバアルと同一視されていたりもします。
結局サタンとは?
この記事では今のところ、サタンさんは以下のような特徴があります。
- ヘビ
- 詐欺師
- いじめっ子
- いたずらっ子
- 働き者
- いろんな悪魔と同一視されたりする
うーん、よくわからんw
サタンはヘブライ語でstnと書くらしく、意味は「敵対者」とか「妨害する者」という普通名詞だそうです。
聖書の中でも単に妨害する者として、サタンを呼んでいるような気がするシーンも多いです。
ということで、サタンとは「よくわからんヤツ!」というのが今回の記事の結論です。
そう、考えるな、感じろ!それがサタンなのだ!
最後に
・・・ということで、「わからんかったから調べたけど、やっぱりわからん」そんなサタンを紹介しました。
まぁ、こういうのはハッキリとした結論が出ないほうがいいんですよ、結論があるものは妄想の材料になりませんからね。
次回は新約聖書の続きを書きたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。