どうも、元山狐です。
仕事でiPad Airを使ってたんですが、最近miniに変えました。
持ってて疲れないということで、電子書籍にちょうどいいサイズです。
ということで、今回は「iBooks」でオスカー・ワイルドの「サロメ」を買ってみました。
オスカー・ワイルドは以前「幸せの王子を読んでみた」って記事を書きました。
この本は彼の短編集なんですが、美しい話だけじゃなくて結構皮肉めいた作品が多くて、絵本で見たことしかなかった彼の印象がガラッと変わりました。
サロメの内容は「きくドラ」ってPodcast番組で朗読されていて、内容は知っていたんですが、番組では本当によく再現されていたな。って感想です。
今回はそんな「サロメ」について書いてみました。
「サロメ」について
サロメは、そのうちこのブログで取り上げることになる「新約聖書」のヘロデ王の娘がモデルの話です。
登場人物
サロメ
本作のヒロイン。
超絶的美貌を持つヤンデレ。
※モデルとなった新約聖書では、ヘロデ王の娘の名前が記載されていなかった。
ヨカナーン
ユダヤの預言者。
ヘロデ王を批判したことで捕らわれている。
ヘロデ
ユダヤの王。
ヘロディアスの娘サロメを溺愛する、ロリコン野郎。
ヘロディアス
前夫を亡くし、ヘロデ王の妃となる。
作中のセリフを見る限り、性格が悪い。
あらすじ
ヘロデ王の妃ヘロディアスの娘サロメは超絶美しい容姿の持ち主でした。
ヘロデ王に溺愛される彼女は、王国に捕らわれの身である預言者ヨカナーン(ヨハネ)に興味を持ちます。
ヨカナーンはヘロデ王と妃のヘロディアスを非難した為に捕らえられているのですが、預言者として王から恐れられています。
面談は禁止されていましたが、それがますますサロメの興味をひいてしまいます。
サロメがシリアの青年に命じて、預言者ヨカナーンをサロメの目の前に連れてきます。
サロメがヘロディアスの娘と知ったヨカナーンは、サロメを激しく拒否します。
しかし、それがサロメの想いをさらに激情として高めることになります。
ヨカナーンに「抱いて」とか「キスして」と迫るサロメですが、
ヨカナーンは「ダメだ!バビロンの娘!ソドムの娘!」と拒否を続けます。
結構M気質なんでしょうか?w
前述でサロメは、ヘロデ王に溺愛されたと書きました。
そんな王はある日、サロメに
「なんでも願い事を叶えるので、踊って欲しい」
と言います。
普段から王が自分に色目を使っていることに、嫌悪感を持っていたサロメですが、この時は全裸で踊りまくります。
そして、満足した王に向かってヨカナーンの首を要求します。
国の半分を譲ってもいい!
とすら言った王もこれにはビックリ仰天。
要求を撤回させるようにサロメを説得しますが、サロメの意志は固く、苦渋の思いでヨカナーンの首を献上します。
で、ここからが恐ろしいのですが、サロメはヨカナーンの生首に語りかけ、キスをします、何度もキスをします。
悦に浸っているサロメ。
狂ったサロメを見た王は、部下に
「誰か!あの女を殺せ!」
と命令し、サロメが殺されたところで物語は終わりとなります。
新約聖書では、ヘロデ王の娘には名前はなく、フォーカスがあたることはなかったのですが、この娘と恋の狂気を物語の中心にもってくることで、グロさ?おぞましさ?が引き立ってますね。
ヤンデレの元祖みたいなもんでしょうか?
最後に
以前書いた「怖い絵展」(兵庫で開催された美術展)でも、この「サロメ」は題材に上がっていました。
女性の愛情を拒否して酷い目にあう、って話は結構多いです。
以前紹介したケルト神話だと、
モリガン(戦いの女神)の誘惑を拒否したクー・フーリンが、その後いろんな妨害を受けます。
またギルガメッシュ叙事詩では、イシュタルの誘惑を拒否したギルガメシュは、イシュタルに天の牛を差し向けられ、親友のエンキドゥを失うことになります。
安珍清姫伝説も、安珍が清姫の愛を無視したことにより、最終的には命を落とすことになります。
古事記でもコノハナノサクヤヒメとイワナガヒメを妻に献上されたニニギノミコトが、
「ブサイクは嫁にいらん」
と返したことで、命が短くなるという呪いを受けます。(これがもとで、人間の寿命は短くなった)
とか、とか、とにかく女性を蔑ろにして酷い目にあう話はいろんな物語にありますね。
って、ことで女性には優しくしましょう。
あれ?そんな記事だったかな?
では、最後までお読みいただきありがとうございました。